コインハイブ事件、終わらぬ戦い

みなさん、コインハイブ事件をご存知ですか？
現代日本でITに関わる人なら、決して見逃してはならない事件です。
この事件は、新しい技術・やり方を模索するクリエイターと
警察・検察の真っ向勝負なのです。

まず、コインハイブ事件に関して、ぼにふぁさんが書かれた以下の記事を御覧ください。
crypto-times.jp

特に重要なことなので、ざっくりと以下の3 点だけ覚えてください。

1.CoinHiveって何よ？
↓
仮想通貨Moneroを採掘するツール。HTMLにJavaScriptを埋め込み、
その埋め込まれたサイトを閲覧した人のPCで仮想通貨を採掘します。

2.結局犯罪なの？犯罪じゃないの？
検察側
↓
本来の計算機の意図に反する「反意図性」と、それを動作させる「不正性」がある。
「故意」も未必で認識していた。これは犯罪！

弁護側
↓
Webを利用するユーザーは全て、自分のPC上で未知のプログラムが動作する事を承知している。CoinHiveは計算機の破壊・情報の抜き取りを行わず、単純に計算だけを行う。

被告はCoinHiveをウイルスと認識しておらず、故意との指摘は当たらない。
加えて、検察側の証拠書類はGoogle翻訳されたページなどが用いられ、証拠能力が著しく疑われる。

3.判決はどうなったの？
無罪です。

横浜地裁の本間裁判長は、「不正な指令を与えるプログラムに該当すると判断するには合理的な疑いが残る」とし、不正性を満たさないことから、不正指令電子的記録に該当しないと結論付けました。

以下は被告人モロさんの反応です。

やったーーーーー
— モロ (@moro_is) 2019年3月27日

取り調べも家宅捜索も裁判も記者会見もテレビ出演も全部はじめてで何一つうまくやれなかった悔しさが強いので全部やり直したいのと同時に2度とやりたくない
— モロ (@moro_is) 2019年3月29日

しかし喜びもつかの間、検察は控訴をしました。
www.itmedia.co.jp

残念ながら、控訴されてしまったようです
— モロ (@moro_is) 2019年4月10日

もはや「罰金払った方が安上がりで賢い」って思わせたいんだろうな
— モロ (@moro_is) 2019年4月10日

裁判にかかる費用をクラウドファンディングで募集されています。

コインハイブ事件控訴のお知らせとクラウドファンディングのお願い #JHA_Coinhive｜モロ @moro_is｜note（ノート） https://t.co/Xpr9n1rQGG
— モロ (@moro_is) 2019年4月18日

たかが罰金10万円程度のしょぼい事件などと思うのは、
今後の日本においてIT産業が発展しないことを黙認することです。

もしも海外から日本に進出したい人・企業がいたら、こんな法律の運用を喜ばしいと思うでしょうか？
あなたが投資家なら、イノベーションの核となるITに無理解で、すぐにエンジニアを逮捕する国家に投資したいでしょうか？

この事件はこれからも引き続き注視して行く必要があります。

じぇいラボ